2024年7月、オリンピックを主催する国際オリンピック委員会(IOC)は、eスポーツの国際大会「オリンピック・eスポーツ・ゲームズ」を開催することを決定しました。
eスポーツが正式にスポーツ競技として認められ、2025年には、サウジアラビアで初めてのeスポーツオリンピックが開催されることになります。
今回は、eスポーツの国際大会がなぜ新設されたのか、その背景を紹介しながら、気になる第1回大会の競技種目(ゲームタイトル)や大会形式などの情報を解説していきます。
記事の概要
eスポーツ業界に興味のある方へ
eスポーツのオリンピックが開催されるって本当?
パリオリンピックを目前に控えた2024年7月23日、国際オリンピック委員会はパリ市内で総会を開き、eスポーツの国際大会「オリンピック・eスポーツ・ゲームズ」を新設し、第1回大会をサウジアラビアで開催することを発表しました。
国際オリンピック委員会がeスポーツの国際大会を開催するということは、eスポーツが正式なスポーツ競技として認められたことを意味します。eスポーツをめぐっては、ゲームをスポーツとして認めていいのか、プレイヤーをアスリートとして認めるかどうかという議論がなされていますが、eスポーツがオリンピックの種目になったことで、eスポーツが世界中の人に知られることになり、プレイヤーの社会的地位も大きく向上すると考えられています。
国際オリンピック委員会の発表によると、第1回大会はサウジアラビアの国際オリンピック委員会と提携して開催されることが予定されており、サウジアラビアが開催国となっています。近年、サウジアラビアでは世界最大規模のeスポーツイベントが開催されており、2024年7月には賞金総額90億円を超えるeスポーツの国際大会「Esports World Cup」が開催され、世界中のトッププレイヤーが賞金と栄誉をかけてその実力を競いました。日本からも多数のチーム・プレイヤーが参加し、「ストリートファイター6」や「PUBG MOBILE」で好成績を残しました。
eスポーツ大会は、なぜ新設された?
「オリンピック・eスポーツ・ゲームズ」の新設により、eスポーツは競技として大きな一歩を踏み出しましたが、なぜ国際オリンピック委員会がeスポーツの国際大会を創設したのでしょうか。その背景には、若者のスポーツ離れを食い止めたいというねらいがあるようです。
国際オリンピック委員会は、2021年に公表したオリンピック改革案のなかで、若い世代がスポーツやオリンピックに興味を持ってもらえるよう、バーチャルスポーツを大会競技として検討することを発表しました。
世界各地でeスポーツの国際大会が開催され、試合を観戦したり動画を視聴したりするファンを含めると、その市場規模は大きく、「日本eスポーツ白書2023」によると、2022年の国内eスポーツ市場は125億円に到達し、2025年に向けてさらなる成長が予想されます。
国際オリンピック委員会は、これまでに2回のeスポーツ競技大会を開催しており、2023年に開催された初の対面での国際大会「オリンピックeスポーツシリーズ」(シンガボール)では、アーチェリー、射撃、テコンドー、テニスなど10種目で競技が行われ、世界中から多くのプレイヤーが集まりました。2026年に愛知・名古屋で開催されるアジア競技大会でもeスポーツが正式競技として採用されるなど、今後のeスポーツの普及が期待されています。
eスポーツ業界に興味のある方へ
気になる第1回大会の競技種目・大会形式は?
2025年にサウジアラビアで開催される「オリンピック・eスポーツ・ゲームズ」について、現時点で決まっているのは開催国だけで、開催会場、日時、競技種目(タイトル)などの詳細は明らかになっていません。
ただ、2023年にシンガポールで開催された「オリンピックeスポーツシリーズ」では、野球、セーリング、自転車、モータースポーツ、チェス、テニス、テコンドー、アーチェリー、射撃、ダンスの10種目で競技が行われ、「WBSC eBASEBALLパワフルプロ野球」「グランツーリスモ7」といった日本でも競技人口の多いゲームが競技タイトルとして選ばれています。
正式な競技種目以外にも「卓球」「トライアスロン」「バスケットボール」「その他」のジャンルでエキシビジョンマッチが行われており、対戦格闘ゲーム「ストリートファイター6」(カプコン)が競技タイトルに選ばれました。カプコンは公認の世界大会「カプコンカップ」を開催するなど、eスポーツの普及に力を入れているため、第1回大会の種目として日本メーカーのタイトルが採用される可能性は急速に高まっています。
射撃には「フォートナイト」が競技タイトルとして選ばれていますが、過去の大会をみると、本来のゲーム性のままプレイされることはなく、暴力的な描写や表現を排除した競技として実施されているのが特徴です。どんなゲームが競技タイトルに選ばれるのかはまだ決まっていませんが、この点は押さえておくと良いでしょう。
オリンピック・eスポーツ・ゲームズの今後の展望
「オリンピック・eスポーツ・ゲームズ」の第1回大会は、国際オリンピック委員会と、サウジアラビアの国内オリンピック委員会の提携により開催されます。このパートナーシップは12年間ということが明らかになっており、2025年以降も定期的な国際大会の開催が予定されています。
特にサウジアラビアは、国を挙げてゲームを主要産業化しようとする動きが盛んで、サウジアラビアのギガプロジェクトのひとつである「キディヤ」は、エンターテインメントやスポーツ、カルチャーをテーマにした街「キディヤ・シティ」の建設を発表しています。
この施設は、50万平方メートルを超える世界初のゲーミング&eスポーツ地区で、世界トップクラスのeスポーツを受け入れ、トレーニングや競技をしながら生活できる場所を提供するなど、アスリートにとっては最高の環境です。国際オリンピック委員会との提携を後押しに、サウジアラビアによるゲームとeスポーツへの投資は今後も続くと考えられています。
まとめ
今回は、2025年にサウジアラビアで開催されるeスポーツの国際大会「オリンピック・eスポーツ・ゲームズ」をテーマに、背景や競技種目(ゲームタイトル)について解説してきました。
国際オリンピック委員会のeスポーツに関する取り組みは、回を追うごとにそのスケールを拡大させ、2025年に開催される第1回大会に対する期待も日々高まっています。
過去の大会で日本人選手がメダルを獲得したように、これからeスポーツの道を歩む若いアスリートがメダルを獲得することも夢ではありません。eスポーツに関心のある方は、東京アニメ・声優&eスポーツ専門学校の体験入学にご参加ください。
「体験入学」では、業界説明や実際にレッスンを利用でき、個別相談をすることも可能です。
体験入学に行けない方は、期間限定でYouTubeのリアルタイム配信で学校の「オンライン説明会」も実施しています。
ストリーマー&ゲーム実況専攻
3年制スーパーテクノロジー科
ゲームの躍動感を声と配信で届ける!