ゲームシナリオライターになるには｜仕事内容や必要なスキルを解説

ゲームシナリオライターは、名作ゲームの生みの親になります。たとえば、『ファイナルファンタジーシリーズ』の坂口博信氏などは、ゲーム制作に欠かせない存在です。

ゲームシナリオライターは、文章を書くだけの仕事ではありません。仕事内容は多岐にわたり、多くのスキルが求められる職業です。

この記事では、ゲームシナリオライターになるために必要なスキルや適性、プロとして活躍する方法を解説します。

プロのゲームシナリオライターとして名作ゲームを手がけたい方は、ぜひ参考にしてください。

ゲームシナリオライターとは？

ゲームシナリオライターは、ゲームのシナリオを台本にまとめたり、キャラクターのセリフやキャラクター同士の関係性などを決めたりする仕事です。

ゲームシナリオライターはゲーム全体をコントロールする役割なので、ゲーム制作の中心として活躍する職業です。

ゲームシナリオライターの仕事内容

ゲームシナリオライターの仕事内容は、以下の通りです。

• 関係者との打ち合わせ
• ゲームのストーリー展開や設定を考える
• シナリオの起承転結を決める
• プロットを作成する
• シナリオを作成する

順番にみていきましょう。

関係者との打ち合わせ

まずは、ゲームを商品化するために、プロデューサーやゲームクリエイターとの打ち合わせです。

ゲームシナリオライターは、ゲームの概要やコンセプトを把握し、ゲームの根幹となるテーマを決めるために話し合います。

この関係者の打ち合わせによって、ゲーム制作の方針やコンセプトが決まるので、綿密な打ち合わせが必要です。

ゲームのストーリー展開や設定を考える

次は、関係者の打ち合わせで決まったテーマを元に、ストーリーの展開や設定を考えます。

打ち合わせの内容やゲームの方針を踏まえて、ゲームの世界観やキャラクターの設定を、具体的なアイデアに落とし込む工程です。名作ゲームを例に挙げると以下のようになります。

例）

ポケットモンスター：「モンスターを捕まえて図鑑を完成させる」

ドラゴンクエスト：「竜王にさらわれた姫を救う」

シナリオの起承転結を決める

ゲームのストーリー展開や設定が具体的になった後は、シナリオの展開を決める行程です。

たとえば、ハッピーエンド・バッドエンドに絞るだけで、ゲームシナリオは大きく変わります。

ちなみに、ゲームではなく小説や映画のシナリオは、結末から物語を作成することが多いので、まずは結末から決めるとよいです。

プロットを作成する

プロットとは、シナリオの大まかなあらすじです。

プロットはゲームのシナリオの設計図になるので、デザイナーなどのクリエイターたちの工程に影響を与えます。

そのため、シナリオの整合性を崩さないように、プロデューサーやディレクターたちと調整を繰り返してプロットを作成します。

シナリオを作成する

最後は、ゲームの設定やプロットを元に、シナリオを作成する工程です。

ゲームシナリオの内容によってはパートごとにチームを分けて、それぞれ別のシナリオを担当することになります。

プロデューサーやクリエイターたちと協力し、ゲーム全体の流れやシナリオごとに整合性を調節して、一つの物語として完成させます。

シナリオ作成の工程によって、ユーザーがゲームの世界観に没頭できるかどうかが決まるため、ゲームの魅力を引き立てるための重要な役割です。

ゲームシナリオライターに必要な資格は？

ゲームシナリオライターに必要な資格はありません。日本語の理解とパソコンへの入力ができれば、始められる職業です。

もちろん、ゲームシナリオを作成できるスキルは必須です。プロのゲームシナリオライターとして活躍するためには、シナリオ作成の基本を学ぶ必要があります。

次の章からは、ゲームシナリオライターに必要なスキルを解説します。

ゲームシナリオライターに必要なスキル

ゲームシナリオライターに必要なスキルは、以下の5つです。

• シナリオの構想を作る想像力
• ユーザーを引きつける文章力
• 日常からヒントを得る洞察力
• シナリオをまとめる構築力
• シナリオが完成するまで書き続ける忍耐力

それぞれ詳しく解説していきます。

シナリオの構想を作る想像力

シナリオとは空想上の物語なので、想像力が必要です。ユーザーがゲームに没頭するためには、ゲームシナリオライター自身がゲームの世界観を詳細にイメージする必要があります。

また、頭の中でゲームのキャラクター同士が会話を行い、喜怒哀楽がわかる表情を想像してシナリオに落とし込むスキルも求められます。

ユーザーを引きつける文章力

ゲームシナリオライターは、ゲーム専門の作家業です。ユーザーをゲームの世界観に没頭させるシナリオを作成する職業になります。

ゲームを作成するには、デザイナーやグラフィッカーたちが感化されるシナリオを書くスキルがなにより求められます。

ゲーム制作すべての工程は文章を元に行われるので、ユーザーやクリエイターたちを魅了する文章力が必要です。

日常からヒントを得る洞察力

ゲームのシナリオを作成するヒントは日常から見つけられます。

たとえば、散歩中に見える風景や隣人との関わりなど、日常のありふれたことでもシナリオのヒントになります。

他のゲームや映画などの創作物だけでなく、日常のすべてにアンテナを立てて、洞察力を鍛えるとシナリオのネタに困ることはなくなるでしょう。

シナリオをまとめる構築力

ゲームシナリオライターには、シナリオをまとめる構築力が必要になります。

頭の中に点在した情報を、一つのシナリオにまとめるスキルはプロとして活躍する上で重要です。

しかし、構築力は独学で習得しづらいスキルでもあります。そのため、プロのゲームシナリオライターから基礎を学ぶことで、シナリオの構築力のスキルアップに繋げましょう。

自己流でシナリオをまとめると、変なクセがついて実力が伸びにくくなるので、なるべくプロから学ぶことをおすすめします。

シナリオが完成するまで書き続ける忍耐力

シナリオは完成するまでに時間がかかるので、忍耐力が必要です。

ゲームをユーザーとしてプレイしている時は、あっという間に時間が過ぎます。

しかし、ゲームのシナリオは、修正や調整を何度も繰り返して作られます。シナリオはプロデューサーや監督など他の立場の人たちからの指摘を受けることは避けられません。

そのため、シナリオを地道に作り続けられる忍耐力は、ゲームシナリオライターに必須のスキルです。

ゲームシナリオライターに向いている人

ゲームシナリオライターに向いている人には以下の2つの特徴があります。

• 好奇心が旺盛
• コミュニケーション力

順番にみていきましょう。

好奇心が旺盛な人

ゲームシナリオライターは、好奇心旺盛な人が向いています。

ゲームシナリオライターは、エンターテインメントの文章を書く仕事なので、ライター自身がワクワクしないと、ユーザーが満足するシナリオを書きづらいです。

そもそも、シナリオ作成とは経験したことを元に、想像を膨らませて書く作業です。好奇心旺盛な人は興味を持つ事柄が多く、貴重な経験を積んでいる可能性が高いので、文章にも面白さが反映されやすいです。

そのため、読書や調べ物だけでなく、経験によって好奇心を満たすことが好きな人はゲームシナリオライターに適性があります。

コミュニケーション力がある人

ゲームシナリオライターは、ゲーム制作の企画やクリエイターたちとの打ち合わせが必須です。

ゲームのシナリオは1人で作るのではなく、周囲の人間たちと協力しながら作ります。

とくに、プロデューサーやクリエイターの意図をくみ取る場面が多いので、コミュニケーション力は欠かせません。

何より、コミュニケーション力は、キャラクターの心情理解などにも通じるスキルです。

たとえば、人間の心理や感情の機微などを察知できると、ユーザーによりリアルな体験を感じるシナリオの作成が可能になります。

ゲームシナリオライターになるには？

ゲームシナリオライターになる方法は、以下の2つです。

• 専門学校でゲームシナリオの基礎を学ぶ
• ゲーム制作会社のシナリオライターに応募する

それぞれ詳しく解説していきます。

専門学校でゲームシナリオの基礎を学ぶ

ゲームのシナリオは独学で学ぶより、プロからシナリオ作成の基礎を教わる方が上達しやすいです。

独学でシナリオを学ぶと学習効率が落ちるので、プロとして活躍するまでに時間がかかってしまうでしょう。

東京アニメ・声優＆eスポーツ専門学校の「ノベル＆シナリオ専攻」では、シナリオのプロが基礎から学べる環境が整っています。

未経験者でも着実にスキルアップできるので、プロのゲームシナリオライターになりたい人におすすめの専門学校です。

ゲーム制作会社のシナリオライターに応募する

ゲーム制作会社のシナリオライターに応募すると、最短でプロになれます。とくに、専門学校などでシナリオの基礎を学んだことがある人は、即戦力として採用されやすくなります。

シナリオの基礎を学んだことがある人は研修の手間が少なくなるので、すぐにゲームシナリオの作成の一部を担当できるでしょう。

会社員としてシナリオを作成すると、安定した給与をもらいながら執筆できるので、まずはシナリオ作成の基礎を学ぶことが重要です。

ゲームシナリオライターは未経験でなれる？

ゲームシナリオライターは、未経験者でもなれます。しかし、シナリオ作成の実力がないと採用してもらえません。

また、フリーランスとして活動するためにも、会社から依頼される実力が必要です。未経験者からゲームシナリオライターになるために、まずはポートフォリオを用意します。

ゲームのシナリオは実績で評価されるので、短編小説などの作品をもって応募しましょう。内容によっては、採用される可能性もあります。

ゲームシナリオライターは在宅で働ける？

ゲームシナリオライターは在宅で働ける職業です。ゲーム制作会社から求人が募集されているので、事情があって会社に出勤できない人でも、シナリオライターとして働けます。

ゲームシナリオライターの募集は、求人ボックスなどの求人サイトに掲載されています。

ゲームシナリオライターの年収

ゲームシナリオライターの年収は、平均すると300万円〜500万円といわれています。

ゲームシナリオライターはスキルによって報酬に差がつくので、企業が出している求人の給与欄を確認しましょう。

仕事の依頼が増えてきたときは、個人のゲームシナリオライターとして独立も視野に入れて活動するとよいです。有名なゲームシナリオライターになると、年収1,000万円以上も夢ではありません。

ゲームシナリオライターのやりがい

ゲームシナリオライターのやりがいは、想像を形にできることです。

キャラクターを自由自在に動かせる楽しさもあるので、頭の中の世界がゲームとして表現される喜びを感じられます。

ゲームがヒットするとシナリオライターとしての知名度が上がり、ゲームとともに後世まで語り継がれます。

雑誌のインタビューやイベントなどにも、呼ばれる機会が増えるかもしれません。

さらに、ビッグタイトルのシナリオを依頼されやすくなるので、ますますやりがいを感じられるでしょう。

ゲームシナリオライターの将来性

ゲームシナリオライターの将来性は明るいです。

日本国内のゲーム市場は拡大しており、2020年-2021年のゲーム業界の業界規模（主要対象企業34社の売上高の合計）は、6兆6,576億円となっています。(業界動向SEARCH..COM調べ)

ちなみに、『ファミ通ゲーム白書2021』によると、世界のゲーム市場は約20兆6417億円です。

国内外問わずゲーム市場が拡大しており、今後もゲームシナリオの重要性が増すので、ゲームシナリオライターの活躍の幅は広がるでしょう。

ゲームシナリオライターになるには専門学校がおすすめ

ゲームシナリオライターは、ゲーム制作の根幹を担う重要な役割です。

しかし、ゲームシナリオの作成は難易度が高いので、シナリオの基本から学ばなければ、プロとして活躍することは難しいでしょう。

東京アニメ・声優＆eスポーツ専門学校の「ノベル＆シナリオ専攻」は、ゲームシナリオの作成に必要なスキルを基礎から教えています。

プロの講師によるゲームシナリオライターになるためのアドバイスや、手厚い就職支援も提供しています。

これからプロのゲームシナリオライターとして、世界でヒットするゲームのシナリオを担当してみたい人は、ご入学を検討してみてください。