PROFIL
アニメ制作専攻 2023年3月 卒業生
株式会社マジックバス
アニメーター
高橋 望さん
中学生の頃、アニメを見て「すごい!」と感動したことが、アニメ業界を目指すきっかけでした。遊び半分で絵を描いていたところから、気づけば本格的にアニメーターを目指す道へ進むようになりました。東京アニメに入学後は、自分の作品を作り、ポートフォリオとして仕上げ、それを使って就職活動をして内定をいただきました。現在はアニメーターとして、動画の担当でキャラクターやシーンがスムーズに動くよう、1枚1枚の絵の間を埋める「中割り」の仕事をしています。アニメが好きだった自分が、今はその世界の一部を作り出せることができています。
アニメ制作でやりがいを感じるのは、好きな作品やチャレンジしてみたいシーンに携われることです。特に難しいシーンを仕上げたときの達成感は大きいですね。印象に残っているのは、ある冒険者がゴーレムと戦うシーンを担当したときのことです。ゴーレムは設定が少なく、岩のゴツゴツ感や動きを細かく表現するのが難しくて、特に上半身の動きをどう見せるかに苦労しましたが、完成したときは大きなやりがいを感じました。
仕事の中で特に大変なのは動画検査やリテイク作業です。例えば、設定に似ていなかったり、アニメの動きを決めるシートに不備があったりすると、それを修正するのは非常に手間がかかります。スケジュールもタイトなため、確認不足が後々の作業に影響しないよう早めにチェックを徹底していますが、それでもリテイクは避けられません。歩き方やキャラクターの動きが不自然なシーンの修正で一部だけ直す場合もあれば、最初から全てやり直すこともあるので、忍耐力が求められます。それでも続けられているのは、どのような作品にもリスペクトを持つよう心がけているからです。興味があるないを超えて、全てのアニメが大切なものだと考え取り組んでいるので、この姿勢が困難を乗り越える支えになっているのだと思います。
東京アニメで学んだ「見る力」が、アニメーターとしての基盤になっています。デッサンやトレース作業を通じて、物の動きを正確に捉える力を鍛えたことで、絵を描くスキルだけでなく、キャラクターにリアルな命を吹き込む表現力が身につきました。たとえばボールを投げる動きでも、筋肉や骨の動きを意識しながら描くことで、自然な動きを表現できるようになるので、この「見る力」が、アニメーターとしての成長を支えてくれています。授業では、アニメ業界の流れや厳しさについても学びました。大変な仕事ですが、自分が関わった絵が動き出し、作品として形になる瞬間の喜びは何にも代えがたいものです。
東京アニメの卒業・進級制作展で、オリジナルアニメを制作しました。声優の専攻の学生さんに声を当ててもらう予定でしたが、絵コンテ段階では対応が難しいと言われて、声も音も全て自分で作ることになりました。映像、音声、編集、スケジュール管理までかけもちでやっていたので苦労しましたが、完成までやり遂げた経験は大きな成長につながりました。制作進行も兼ねていたことで、スケジュールの調整や全体の流れを把握する力が身についたので、今の仕事では、この経験のおかげで作業の優先順位やペース配分を判断しやすくなり、チームとの連携もスムーズに取れています。どんな困難も、乗り越えれば自分の成長につながるのだと思える経験をすることができました。
私の目標は、アニメーターとして原画や作画監督を務める実力をつけることです。最終的には映画1本を任されるほどのスキルを磨きたいと思っています。現在は仕事で忙しい日々ですが、少しずつ時間を作りながら、画力を高める努力をしています。デッサンや模写、SNSを活用して他の人の作品を見たり、今後は自分の絵を投稿して意見をもらったりすることで、より良い作品作りを目指せればと考えています。アニメ制作を通じて得たスキルや経験を活かし、将来は物語を自分で作れるような漫画家やイラストレーターになることにも挑戦したいです。
アニメーターを目指すみなさんに伝えたいことがあります。それは、忍耐力、コミュニケーション力、そして夢を追い続ける覚悟を大切にしてほしいということです。
アニメーターの仕事は決して楽ではありません。締め切りやプレッシャーの中で作品を仕上げるには、忍耐力が必要です。そして、周りと協力するための最低限のコミュニケーション力も欠かせません。特別おしゃべりが得意でなくても、日常会話ができて、仕事仲間と良い関係を築くことが、自分の仕事をスムーズに進める鍵になります。また、アニメーターの世界では挫折や壁にぶつかることも多いですが、「夢を諦めない心」を忘れないでください。一度逃げることが悪いわけではありませんが、もしその夢を追い続けたいと思うなら、再び挑戦する勇気を持つことが大切です。逃げることも選択肢の一つですが、「もう一度やってみよう」と思える道を残しておくことが成長につながります。 学生のうちは、たくさん遊び、いろいろな経験をしてください。その中で得た気づきや発見が、アニメーターとしての表現力を広げるヒントになるかもしれません。自分の世界を広げることが、将来きっと役に立ちます。夢を追い続けることは簡単ではありませんが、その先には大きなやりがいや達成感が待っているはずです。
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