今や日本のテレビアニメやアニメーション映画は世界各国で放映され、多くのファンを魅了しています。そのような大舞台で活躍できる声優は憧れの職業です。
「将来は人気の声優になりたい」と考えている人が声優を目指すうえで気になることといえば、やはり収入ではないでしょうか。
声優という職業は、一体どのくらい稼げる仕事なのでしょうか? 今回は、声優の報酬やその仕組み、平均年収についてご紹介いたします。収入の増やし方についても触れているため、ぜひ最後まで読んでみてください。
記事の概要
声優業界に興味のある方へ
声優の報酬の仕組み
声優の報酬は働いた分だけ収入がもらえる歩合制が一般的です。
そのため、声優の多くは個人事業主として歩合制の事務所と契約を結んでいます。
フリーランスになると、通常は営業や仕事の調整、報酬管理などは自分でしなければいけません。
しかし、事務所に所属している場合は、営業や仕事の調整、報酬管理などを代わりにおこなってもらえるため、仕事に専念できます。その対価として手数料を支払います。
歩合制の事務所と契約した場合、声優の報酬は「制作会社→声優事務所→声優」の順にお金が支払われ、手数料を引かれた金額が振り込まれる仕組みです。
声優の平均年収
ひと口に声優といってもいろいろな立場の人がいるため、声優の平均収入は人により異なります。
売れっ子の声優や大御所声優なら年間数千万円という大金を稼げますが、駆け出しの新人でほとんど仕事がない声優の場合は、月々数千円の収入しかないこともあります。
生活のためにアルバイトをかけ持ちしながら声優を続けているという人も少なくありません。
しかし、中堅になってファンがつくようになれば仕事も安定して入ってくるようになるため、平均年収300~400万円程度、給料にすると月々29万円の収入を得ることも十分可能です。
声優業界に興味のある方へ
アニメ声優の収入は?ランクに違い
アニメ番組や外国映画の吹き替えの声を担当する声優の報酬は、日本俳優連合の「外画動画出演実務運用表」をもとにして算出されます。
外画動画出演実務運用表は収入に直結するものとなるため、時代の変化に合わせてその都度見直しがされています。
たとえば、海外で普及していた動画配信サービスが2015年に日本に進出してきた翌年、外国映画のネット配信への転用料率表が追加されました。
外国映画のアニメの吹き替えが動画配信サービスで提供されたときの報酬形態を明確にし、適切な報酬を得られるようにするためだと推測できます。
30分枠のアニメ1本の出演を基準とし、声優のランクや時間割増率(30分の作品を1.0として、60分枠1.5倍、90分枠1.9倍と割増率を定めたもの)、初期目的利用料率(公開する利用目的別に利用率を定めたもの)を計算した価格が声優の初期出演料です。
参考:外画動画出演実務運用表
声優の収入を決める大切なランクには、以下の3種類があります。
ひとつずつ説明していきます。
ジュニアランク
デビューしたての新人声優のランクはジュニアランクと呼ばれ、正式にはランクが付いていない状態を指します。
ジュニアランクの声優の相場は、30分枠のアニメ番組1本で1万5千円です。
アニメ1本の金額がランクで決められているため、セリフが多くても少なくても金額は変わりません。出演依頼があった役柄以外の追加出演をしても1本のなかに含まれるため、報酬は変わりません。
ただし、1本のなかでどれだけ出番があっても報酬が変わらないのは新人でもベテランでも同様です。
ジュニアランクは、新人デビュー後から数年経過すると次のランクに昇格します。
ランカー
ランカーはデビューして数年経過した声優のランクの総称です。
ランク15を基準として1ランク上がるごとに金額が少しずつ増えていくランカーは、最高ランクが45まであります。
また、ランカーになると、基本の時間枠30分を超えた部分に時間割増率が適用されます。
時間超過後は30分ごとに少しずつ割増率が上がっていき、30分枠のアニメを基本の1として考え、60分は1.5倍、120分は2.3倍、180分は3倍と増えていくのが特徴です。
たとえば、ランク15の声優が180分のアニメ番組に出演した場合、ランク15の基本金額×3倍が基本対価です。
また、30分枠のアニメの仕事をランク15の声優が1クール(12話)受けた場合、ランク15の基本金額×12話が12回分(3ヵ月)の収入になります。
注意したいのは、同じアニメでもランクが同じならば、主役でも脇役でも基本対価は同じだということです。
主役の場合はアニメ出演以外の仕事(番組宣伝やプロモーションなど)で報酬が増えることも考えられますが、基本対価は主役も脇役も同じ料金になることを覚えておきましょう。
ランカーのレベルは事務所と相談しながら決めていき、レベルに合わせて仕事を受注します。自己申告でレベルを上げると実力が伴わず受注につながらない可能性があるため、事務所と相談してレベルを上げていくのが一般的です。
ノーランク
声優のランクレベルが45に到達し、ベテランの域に達すると、ノーランクとして仕事を受けることが可能です。しかし、ノーランクになると制作者側が声優に支払う金額が増えるため、制作費の関係で仕事を受注できないことがでてきます。
ただし、ランク制はアニメと外国映画のみが対象です。ゲームやナレーション、ラジオがメインの声優は、ノーランクに達していても仕事の受注に大きな影響はありません。
声優のランクは経験を積むごとに上がっていき、ベテランの声優の場合は1本5万円以上になることもあります。
ノーランクになると、1本30分のアニメに出演して一言話しただけでも、ジュニアランクやランカーより報酬は高くなります。同じ1本30分のアニメでもセリフの数よりも、ランクによって報酬が変わるのが声優の世界です。
なお、最高ランクに位置するノーランクでも、基本的には事務所を通してのギャラ交渉となるので、上記でお伝えした費用は人それぞれになると考えておくとよいでしょう。
アニメ以外の仕事の収入は?
声優はアニメへのアフレコ以外に、以下の仕事もあります。
洋画の吹き替え以外の仕事は、ランク制の取り決めがありません。そのため、収入もランクとは別で考えられています。
ひとつずつ説明していきます。
洋画の吹き替え
洋画や海外ドラマといった外国で制作された映像の吹き替えは、声優のランクによって金額が異なり、売れっ子声優になると数十万円ものギャラになることもあります。
洋画の吹き替えは、洋画の人気度によって声優として次の仕事につながる可能性が高い仕事といえるでしょう。
ゲーム
ゲームキャラクターのアフレコをする場合には、セリフのワード数に応じて報酬が支払われることがほとんどです。
ランク制の規定がないため、駆け出しの声優なら1ワードの金額は少なめです。しかし、売れっ子になれば単価もアップしますし、売れ筋のゲームなら2倍以上のギャラが支払われることもあります。
最近ではキャラクターが話しながら進めていくゲームが数多くあるため、ゲーム1本で収入が高くなるケースもあります。
なかにはゲームがアニメ化されるケースもあるため、声優の仕事を増やすチャンスにもなるでしょう。
ナレーション
ナレーションもゲーム同様ランク制の規定がないため、仕事の収入はピンキリです。YouTubeや企業広告のナレーション、スーパーマーケットのアナウンスに使用する音声などの仕事があります。
ナレーションの仕事のうち、スポンサーが付いているテレビ番組やCMの場合は、1本数十万円程度のギャラを稼げることもあります。
声優の仕事をこなし、実力が付いてきたらナレーションの仕事を受けられる可能性も高くなるので、まずはできる仕事から進めていくのがよいでしょう。
ラジオ
ラジオで収入を増やす方法もあります。
ランク制がないラジオの収入はメインMCかアシスタントMCかによっても異なるため、アニメとラジオのどちらが高いかは一概にはいえません。
また、内容もそれぞれ異なり、プロモーションやファンサービスメインのラジオだったり、アニメ作品から離れた1人の声優としての仕事だったりする場合もあります。
決められた言葉だけを発する仕事とは異なり、ラジオは自分の言葉で想いや考えを伝えられるため、アニメとは違ったやりがいを見つけられます。
声優が実際に受け取れる金額は?
仕事で振り込まれたギャラは全て自分の懐に入るというわけではなく、一部は所属している事務所に差し引かれます。事務所によってマネジメント料は異なりますが、声優専門の事務所の場合は20%程度引かれることがほとんどです。
声優の収入にはかなりの幅があり、経験を積んで売れっ子になれば一気に稼げるようになることもあります。仕事の内容にこだわらず、さまざまなジャンルの仕事を引き受けて一つひとつに全力投球することが、声優として仕事をしていくための基本となります。
声優が収入を上げる方法!稼ぐためには?
声優が収入を上げる方法は、以下のとおりです。
収入を上げる方法を知っておけば、仕事の方向性を考えるのにも役立ちます。
オーディションに合格し人気の作品に出演する
声優の収入を上げるには、オーディションに合格して人気作品に出演するのがおすすめです。
オーディションは事務所を通して受けることがほとんどです。
そのため、事務所にどのような作品の仕事をしたいか、自分に何ができるかなどをあらかじめ伝えておけば、オーディションの連絡が入ったときに声をかけてもらいやすくなります。
自分のやりたい仕事や興味のある仕事を受けるチャンスを掴むためにも、事務所のマネージャーとコミュニケーションを日ごろから取ることが重要です。
アニメ以外にも映画やゲーム、音楽、ナレーションなど多くの仕事がありますが、いずれもオーディションに合格しなければ得られないものがほとんどです。
たしかにオファーで声優の仕事を得られることもあります。
しかし、知名度がなければオファーされることは稀です。制作側が偶然あなたの作品を見て、「探しているイメージにぴったりの声だ!」ということは、なかなかありません。
声優の人数は声優の仕事以上に増えています。自分から行動を起こしてオーディションに合格し、人気作品に出演することが次の仕事につながる一歩になります。
経験・実績を積んでランクを上げる
経験や実績を積んでランクを上げる方法しかありません。声優はランクによって収入が左右されることが多い仕事です。
そのため、ランクが上がるほど収入が増えていきます。
声優になって数年間はジュニアランクのままですが、その後はランカーになり、自分の力次第でランク15から45まで登り詰めることができます。さらに、力をつければノーランクとして報酬を自分で決められる地位に就くことも可能です。まずは与えられた仕事をしっかりとこなし、知名度を上げつつ経験や実績を積んでランクを上げていきましょう。
アイドル声優としてCDや写真集などグッズ販売ができるようにファンを増やす
アイドル声優として人気が出てくると、徐々にCDや写真集などのグッズが売れはじめ、それによっても報酬アップの可能性はでてきます。
アニメのワンシーンで歌を歌ったり、主題歌やエンディングを歌ったりする場合は、アニメのキャラクターが主役です。
しかし、アイドル声優の場合は、ファンの前で歌やダンスなどのパフォーマンスをするため、1人の人間として人気を得られます。
アイドル声優として活動し、ファンが増えてくることで、キャラクターに関連する歌だけでなく、独自のCDや写真集などのグッズ販売もでき、報酬アップの可能性は多いにあります。
ナレーションやゲームなどの仕事をする
制作費により異なるとはいえ、ナレーションやゲームは声優のランクにとらわれない報酬が得られるため、高単価になりやすくなっています。
アニメや映画は1つの作品を作るのに、複数人の声優と一緒に仕事を進めなければいけません。
しかし、ナレーションやゲームの場合は1人でおこなうことが多いため、待ち時間が少なく時給換算すると報酬が高くなる傾向があります。
声優として人気がでてくればランクに関係なく単価をあげられる可能性があるナレーションやゲームの仕事は、制作費や作品によりますが、収入を増やせる場合が多くなるかもしれません。
まとめ:声優を目指すなら専門学校がおすすめ
声優として自らの力で収入を増やしていくには、発声の仕方や感情表現、音声表現などの基礎を学ぶことが重要です。独学では自分のクセがわからなかったり、客観的に見たときに直したほうがよい部分に気付くことができません。
「声優になりたい」「声優としての実力をつけたい」という人は、プロから基礎を学べる東京アニメ・声優&eスポーツ専門学校の「声優プロフェッショナル専攻」がおすすめです。
声優として必要な基礎だけでなく、オーディション対策や舞台公演などの知識や技術を実践で身に付けられます。また、企業プロジェクトとして、プロと一緒に現場で働き、1つの作品を作り上げる体験もできます。
声優としてだけでなく「歌手としても活躍したい」という人は「声優アーティスト専攻」がぴったりです。
声優アイドルに必要なヴォーカルテクニックやダンスなど、実践をとおして習得していくことが可能です。
「声優の仕事に興味がある」「声優の勉強の仕方を知りたい」と感じた人は、本校で定期的に開催されている体験入学に参加してみるとよいでしょう。
「初めての声優基礎&アフレコ体験」や「声優アフレコ体験&プロダクション攻略テクニック」などが体験できます。
また、専門学校や養成所の違い、声優業界で活躍する方法などを教えて貰える体験もあるため、声優に興味があるけれどどこで学べばよいのか悩んでいる人にも最適です。
体験入学は定期的に内容が更新されていきますので、気になる内容があればぜひ1度参加してみてください。学校の雰囲気もわかるため、自分に合っているか確認もできます。
ご家族と一緒に本校の内容を確認したい場合は、無料で資料請求できるパンフレットが役立ちます。公式サイトに載せきれない情報もチェックできるため、ぜひ取り寄せてみてください。
東京アニメ・声優&eスポーツ専門学校で発声や表現力を身に付け、声優になる夢を叶えていきましょう。