自らの声を使って、魅力的な情報を聞き手にしっかりと伝えるナレーター。「うまくナレーションができるようになりたいけど、練習方法がいまいちわからない……と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ナレーターにはいろいろな声の要素が求められるので、1人で練習しようにもなかなか効果的な方法が見つからないですよね。
そこでこの記事では、声優やナレーターの専門学校である『東京アニメ・声優&eスポーツ専門学校』が、ナレーションの練習方法について紹介します!
・具体的な練習方法
・意識すべきポイント
・練習に便利なスマートフォンアプリ
を説明するので、ナレーターを目指している方や、魅力的なナレーションをしたいという方はぜひチェックしてみてください。
記事の概要
声優業界に興味のある方へ
ナレーションの練習方法は「とにかく真似をする」こと
ナレーションの練習方法として効果的なのは、プロのナレーションを真似することです。
プロの音声を真似することで、ナレーションへの理解がどんどん深まります。
ナレーションは一見かんたんそうに見えるかも知れませんが、実はたくさんのノウハウが詰め込まれているのです。
真似して話すだけでも、抑揚のつけ方やスピード感など、学ぶべき点がたくさん見えてきます。
とくにナレーションは声だけで聞き手に作品の魅力を伝えなくてはならないため、細かな技術が必要となるでしょう。
もちろん基礎的な発声トレーニングも大切ですが、魅力的なナレーションについて知るためにも、まずはプロの真似をしてみてください。
具体的な練習方法は、以下のとおりです。
・好きなナレーターの音声を録音する
・ナレーションをノートに書き起こす
・ナレーターの真似をして読み上げる
・気づいた点をメモし、完成度を高める
まずは「素敵な声だから」や「番組が面白いから」という小さな理由で構わないので、お気に入りのナレーターを見つけて真似てみましょう。
ナレーションの練習時に意識すべきポイント7選
こちらでは、ナレーションの練習時に意識すべきポイントを7つ紹介します。
1. 何を伝えたいのかを考える
2. ハキハキとした滑舌を心がける
3. 声のボリュームを調整する
4. 姿勢を正す
5. 自分の声を分析する
6. 正しいイントネーションを覚える
7. 演技力や表現力も磨く
それぞれくわしく確認していきましょう。
1. 何を伝えたいのかを考える
何を伝えたいのか考えることは、ナレーションにおいて非常に大切です。
強調すべきポイントを意識しないと、のっぺりとして印象に残らない朗読になりかねません。
与えられた原稿に対して「どこに気持ちを入れるのか」をしっかりと考えてみましょう。
また、依頼者が持っている原稿のイメージを崩さないようにするのも大切です。
「元気な声でお願いします」や「ゆったりとした雰囲気で話してください」などの希望を言われることがあるので、依頼者の満足度を高めることも意識してみましょう。
原稿をもらったら、まずは「何を伝えればいいのか」を自分の中で明確にしてみてください。
2. ハキハキとした滑舌を心がける
ハキハキとした滑舌を心がけるのも、ナレーターとして大切です。
ナレーションは基本的に声だけですべてを伝える必要があるので、表情や身振り手振りが使えません。すると思っている以上に、内容が相手に伝わらないことがあります。
声だけで作品の魅力をしっかりと伝えるのがナレーターの仕事なので、一言一句がしっかりと伝えられるように、滑舌を意識しましょう。
3. 声のボリュームを調整する
声のボリュームを調節するのも、意識すべきポイントの1つです。
もちろんハッキリとした通る声はナレーションにおいて重要ではありますが、すべて同じ調子だと退屈感を与えてしまいます。
ベースは大きくハッキリとした声を使って、大事なところでボリュームを調節して抑揚をつけるようにしてみてください。
声で聞き手を魅了するには、ボリュームの調整も大切です。
4. 姿勢を正す
練習中に姿勢を正すことも大切です。
姿勢が悪い状態だと、魅力的な声を出す状態が作れません。とくに猫背だと、喉がしまり、肺が圧迫された状態になるので、声の通りが一気に悪くなってしまいます。
声を出す練習をする前に、姿勢をきっちりと正すようにしましょう。
「自分は猫背かもしれない」と感じる方は、以下のストレッチを試してみてください。
1. 腰を丸めないようにして椅子に座る
2. 左右の肩甲骨の間を縮めるようにして近づけ、5秒キープ
3. 両腕を身体の前下方向に伸ばし、肩甲骨の間を広げる
(出典:YouTube )
数分でできるストレッチなので、発声の練習前にうってつけです。
声の質を高めるためにも、姿勢を正す意識をしてみてください。
5. 自分の声を分析する
自分の声を定期的に分析するのも、ナレーションには大切です。
普段自分が認識している声と、周りが聴いている声は大きく違っています。
中には「録音した自分の声を聞くと気持ち悪いと感じた」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
これは、発した声が自分の骨から脳に響くことによって、起こる現象だと言われています。
つまり「自分で認識している声と、他人が感じている声は違う」ということなので、客観的に自分の声を分析することは大事です。
・感情表現はできているか
・抑揚がつけられているか
など、録音した声を他人に聴いてもらうなどして、客観的な意見を聞くようにしましょう。
6. 正しいイントネーションやアクセントを覚える
正しいイントネーションやアクセントを覚えることも、練習で意識しましょう。
ナレーターとして大事なのは「正しい発声で、すべての人に伝わる話し方」です。イントネーションが違っていると、違和感を与える原因となってしまいます。
とくに地方で育った人は、方言やなまりが災いして、自分でも気づかないうちにイントネーションがおかしくなっていることもあるでしょう。日常会話なら問題ありませんが、プロとしてナレーションをするうえでは修正が必要です。
正しいアクセントを教えてくれる『アクセント辞典』という書籍やアプリもあるので、うまく活用してみてください。
7. 演技力や表現力も磨く
ナレーションであっても、演技力や表現力を磨くことは大切です。
ただの朗読になってしまっては、せっかくの作品の良さが伝わりません。顔を出さないナレーターだからこそ、声だけで聞き手の感情を揺さぶれるような演技力を身につけましょう。
・声の抑揚・トーン
・発音
・間のとり方
など、役者や声優さながらの表現力をつける練習をしてみてください。
声優業界に興味のある方へ
本格的にナレーションのスキルを磨きたいなら専門学校がおすすめ
ナレーションのスキルを本格的に身につけたいなら、専門学校がおすすめです。
声は自分と他人で聴こえ方が違うという性質上、なかなか客観的な分析ができません。
それぞれの声質によって最適な練習方法も違うため「いくら練習しても声が良くならない」ということもあるでしょう。
東京アニメ・声優&eスポーツ専門学校では、業界の第一線で活躍するプロが、ひとりひとりの声にあったサポートをおこなっています。
発声や演技の指導だけでなく、業界に関する知識やオーディションの対策方法についても学べるので、将来的に声の仕事をしたいという方にもうってつけです。
独学での練習が難しい「声」を魅力的にするためにも、ぜひプロの指導を受けることを検討してみてください。
ナレーションを練習するためにおすすめのアプリ7選
こちらでは、ナレーションを練習するためにおすすめなアプリを紹介します。
1. ボイスレコーダー
2. 声優滑舌アプリ
3. ボイストレーニングアプリ
4. 日本語アクセント辞書
それぞれくわしく確認していきましょう。
1. ボイスレコーダー
ボイスレコーダーは、自分の声を確認するのに必須のアイテムです。
専用のものを買うとよりクリアに聴こえますが、自分で確認するくらいならアプリでも問題ありません。
自分の声を客観視するためにも、練習中は録音して聴き返すことを意識しましょう。
【おすすめアプリ】
『ディクタフォン- 音声レコーダー』(iOS)
『簡単ボイスレコーダー』(Android)
どちらも音声の録音に特化したアプリです。
ワンタップで簡単に録音でき、ファイルの名前や共有が簡単にできます。
2. 滑舌アプリ
滑舌アプリは、その名の通り滑舌を良くするトレーニングができるアプリです。
滑舌の改善にはコツコツ練習を重ねることが大切なので、アプリを使って1日少しずつでも改善するようにしましょう。
【おすすめアプリ】
『カツゼツ』(iOS)
カツゼツでは、元アナウンサーが監修した滑舌練習法を数多く収録しています。
トレーニングによって発声や発音をクリアにし、明るく聴きやすい声のトレーニングが可能です。
『声優滑舌アプリ』(Android)
声優滑舌アプリでは、音声入力によって滑舌のチェックが可能です。
遊び感覚で滑舌を鍛えられます。
3. ボイストレーニングアプリ
より魅力的な声を作るための、ボイストレーニングアプリです。
こちらも毎日少しずつ練習を重ねることで、声の表現力が高まります。
歌唱力の向上にもつながるので、カラオケで高得点を出したいという方にも効果的です。
【おすすめアプリ】
『カラオケ指導&ボイトレbyミニー・P』(iOS)
『1日15分で歌が上手くなる!”歌屋ボーカルトレーナー”』(Android)
どちらのアプリも現役のボイストレーナーが監修をしている、トレーニング用のアプリです。
ピアノの音声に合わせて発声を続けることで、徐々に喉が鍛えられていき、声質の向上につながります。
4. 日本語アクセント辞書
正しいアクセントを勉強できる、日本語アクセント辞書アプリです。
日本語には決まったアクセントがあり、間違えると聞き手に違和感を与えてしまいます。とくに地方出身だと無意識にアクセントが間違っている可能性があるので、正しいアクセントを学ぶことは大切です。
【おすすめアプリ】
『JAccent – オフライン日本語アクセント辞典』(iOSのみ)
約45,500のアクセントが収録されており、オフラインでも利用できるため、自分のイントネーションやアクセントに不安がある方に便利です。
まとめ:ナレーションを本格的に練習するならプロの指導がうってつけ
今回は、ナレーションの練習方法や意識すべきポイント、便利なアプリについて紹介しました。
ナレーションを上達させるためには、毎日少しずつ練習を重ねることが大切です。ただしやみくもに練習を続けるのではなく、ちゃんとポイントを意識して鍛えていくようにしましょう。
また、自分の声を良くするには、他人に対面で意見をもらうことも大切です。
ちゃんと対面でアドバイスをもらわないと、自分が間違った練習をしていると気づけないため、ずっと無駄な練習を繰り返してしまうことになりかねません。
東京アニメ・声優&eスポーツ専門学校では、前線で活躍するプロの声優やナレーターが、ひとりひとりの声に合った指導をおこなっています。
客観的な視点で声の魅力を高めるだけでなく、将来のキャリアについてのサポートも受けられるのは、専門学校ならではの特徴です。
将来ナレーターとして本格的に活動を続けたいと考えている方は、ぜひ効率のよいカリキュラムの受講を検討してみてください。