アニメ文化の成長から声優がブームになり、中には「アイドル声優」として活躍している声優も多くなってきました。
ところが「アイドル声優」と聞いても、イマイチどういう活動をしている人かわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
また、いつ頃から生まれた言葉なのか、歴史についても気になりますよね。
そこでこの記事では、アイドル声優の概要や歴史、アイドルとの違いについて解説します!
アイドル声優への道のりについても解説するので、アイドル声優について知りたい方や、これから目指したいと考えている方は、ぜひ記事をご覧ください。
記事の概要
声優業界に興味のある方へ
アイドル声優とは
アイドル声優とは、歌や踊りといったアイドルのような活動をこなす声優を指します。
ひと昔前は、声優=裏方の仕事として、表立ってファンサービスをおこなうような活動はほとんどありませんでした。
ところがいまでは、本業である声優業のほかにライブや握手会などの活動を行い、多くのファンを獲得しています。
アイドル声優の活躍によって、アイドル声優に憧れ、声優の道を目指したいという若い人も少なくありません。
声の仕事から抜け出し、歌や踊りなどの表現活動をおこなうことで、業界の新しいジャンルとして認知されつつあるのが、アイドル声優の実態です。
アイドル化の経緯や歴史を解説
ここでは、声優がアイドル化した経緯や歴史について解説します。アイドル声優が多く登場したのは2000年代からですが、実はもっと前から、似たような活動をしている声優がいました。
1. 1970~80年代
2. 1990~2000年代
と分けて紹介していきます。
1. 1970~80年代
1970年代は『ルパン三世』や『アルプスの少女ハイジ』『機動戦士ガンダム』など、日本を代表するアニメが多く放送されました。
その中でも『機動戦士ガンダム』の声優である古谷徹さんや古川登志夫さんが結成したバンド『スラップスティック』が、女性ファンからアイドル的な人気を集めていました。
さらにバンドだけでなく、声優個人によるレコードが次々に発売され、声優ひとりひとりにスポットが当たり始めた時代だといえます。
1980年代のアニメ界には、アイドルから声優になり、アニメ「タッチ」の朝倉南役を演じた日高のり子さんの存在があります。
他にも『超時空要塞マクロス』のヒロイン役を務めた飯島真理さんは、声優だけでなく劇中に登場する歌(劇中歌)も担当し、大きく注目を集めました。飯島さんはメディアにも積極的に顔を出し、アイドル的な人気を誇ります。
特に劇場版の主題歌として歌われた『愛・おぼえていますか』という楽曲は、声優が歌う楽曲としては異例の大ヒットを収めました。
このように、声優がアニメの主題歌を歌い、ヒットするというケースが珍しくなくなってきたのが、1980年代の特徴です。
2. 1990~2000年代
90年代に入ると椎名へきるさんや國府田マリ子さん、そして林原めぐみさんがアイドル活動や歌手活動をし、注目を集めるようになりました。
歌唱力の高い声優がキャラクターソングを歌ったり、単独ライブを行ったりという歌手活動をしているケースが増えています。ただし、そこまで急激に増えてはいませんでした。
ところが2000年代になると、ルックスや歌声が評価された声優を中心として、歌手活動をするケースが一気に増加しました。
アーツビジョン系の堀江由衣さんや田村ゆかりさんはその代表格といえるでしょう。
キングレコードは2004年頃に水樹奈々さんをアーティスト系声優としてプロデュースし、その人気は現在まで続いています。
さらにソロだけではなくグループやユニットを結成して、ライブ公演やテレビ番組への出演、握手会を行う……といった、アイドルのような活動をする声優が多くなりました。
アニメ作品中のアイドルグループとして、演者である声優がそのままライブを行うなど、二次元の世界をリアルに表現するアイドル声優も多く誕生しています。
代表的なのは「THE IDOLM@STER」や「ラブライブ!」といったアイドルもののアニメ作品です。これらのアニメに出演する声優が、キャラクターと同じような衣装を着てライブを行うことも増えてきました。
このように、アイドル声優として活動する人が一気に増えたのが、2000年代以降の特徴です。
2010年以降もその風潮は残っており「声優は歌って踊れるのがステータス」という時代になっています。
また、一般の芸能事務所に所属するタレントや歌手がアニメ声優を担当し、マルチに活躍できるアイドルとして売り出すケースもあります。
声優業界に興味のある方へ
アイドルとアイドル声優の違い
声優という本業を持ちつつ、歌や踊りなどの表現活動をおこなっているアイドル声優と、歌や踊りをメインに活動しているアイドル。似たような活動をしていますが「重要視されるポイント」が大きく違います。
アイドルは高いルックスやファンへの対応力などが大きく求められる職業です。その反面、歌唱に関しては、そこまで本格的なものは求められていません。
アイドル声優はあくまでも「声優」なので、まずは声優としての技術力が大きく求められます。いまアイドル活動をしている声優も、最初は人気アニメキャラクターの声を担当したことにより、注目されるようになったはずです。
つまり、まずは声優としてオーディションに勝ち抜き、役を獲得しなければ何も始まりません。もちろんアイドル声優としてルックスを求められることもありますが、まずは声優としての実力が大切です。
このように、アイドルとアイドル声優は似たような活動をしていますが、求められているものは大きく違います。
アイドル声優になるための道のり
こちらでは、アイドル声優になるための道のりについて紹介します。
1. 声優事務所に所属する
2. 声優としての演技力や表現力を磨く
3. 歌唱力やダンスの技術も身につける
4. 作品のオーディションを受ける
それぞれ詳しく解説していきます。
1. 声優事務所に所属する
まずは、声優事務所に所属します。声優になるにはアニメやゲームなどのオーディションを受けて、合格することが必要です。
ところがオーディションは、事務所を通じて開催が知らされることが多いので、無所属のままだとオーディション自体を受けられないこともあります。
よってまずは事務所に所属して、オーディションのチャンスを待つことが大切です。
事務所に所属するには、
・声優の専門学校を卒業し、入所のためのオーディションに合格する
・事務所が運営している養成所に通ってから、事務所の入所試験に合格する
という2つの方法があります。
2. 声優としての演技力や表現力を磨く
事務所に所属しても、すぐにオーディションに参加できるわけではありません。声優になるために演技力や表現力を磨いて、実力を高める必要があります。
何度も自分の声を聞き返し、プロの真似をして、技術力をどんどん身につけていきましょう。
3. 歌唱力やダンスの技術も身につける
声優の仕事だけなら演技力や表現力だけで問題ありませんが、アイドル声優になるには歌唱力やダンスの技術も大切です。
アイドル声優は人前で歌って踊ることが求められるので、それなりのスキルを必要とします。
声優事務所の中にはダンスや歌を学べる場所もあるため、声優のレッスンと同時並行で、歌唱力やダンス技術を高めていきましょう。
4. 作品のオーディションを受ける
声優としての実力がついたら、作品のオーディションを受けます。
人気のアニメやゲームだとその分メディアへの露出が多く、アイドル声優になれる可能性も高いです。ただし最初からビッグタイトルのメインキャラクターを任せられる確率は低いので、最初はどんな役でも受かることを目標としましょう。
徐々に実績や実力がついてくると、人気キャラクターへの道がひらけます。
まとめ:アイドル声優には様々なスキルが必要
今回は、アイドル声優に概要や歴史、なり方について紹介しました。
最近はアニメやゲームなどでアイドルを題材にした作品が多く、それに伴い大規模なライブツアーが開催されることも多くなりました。
リアルの世界で劇中歌やキャラクターソングなどを歌い、ダンスを披露するアイドル声優に憧れ、声優になりたいという人も少なくありません。
もし「アイドル声優として活躍したい」と考えているなら、まずは専門学校でスキルを身につけることをおすすめします。
東京アニメ・声優&eスポーツ専門学校では、声優になるために必要な発声、演技などの基礎的な力や、仕事に対する考え方に至るまでさまざまなことを学べます。
また、プロの声優から直接指導により、独学では分からなかった自分の強みや改善点を確認し、確実にスキルアップすることも可能です。
専門学校なら独学よりも効率的にスキルアップできるので、より早いデビューを目指すなら入学をぜひ検討してみてください。