アニメの制作には欠かせない存在である、アニメーター。「実際にどんな仕事をしているのか気になっている」という方も多いのではないでしょうか?
「アニメーターになりたい」と思っていても、どんな労働環境かがわからないと不安ですよね。
そこでこの記事では、アニメーターの仕事内容など、必要な能力などをくわしく解説します!
記事の概要
アニメ業界に興味のある方へ
アニメーターとは?仕事内容について紹介
こちらでは、アニメーターの仕事内容について紹介します。
アニメーターは、アニメの作画を担当する仕事です。大きく分けて「原画マン」と「動画マン」の2種類にわかれます。
それぞれの特徴を確認していきましょう。
アニメーターの仕事1:原画マン
原画マンは、アニメーションの元となる絵(原画)を書く担当です。
監督からもらった絵コンテや設定資料などをもとに、キャラクターや背景を描いていきます。
作画全体のメインとなる部分を描いていくため、重要度が高いです。
だいたい30分のニメ1話に対して、300カット前後の原画を用意します。
アニメーターの仕事2:動画マン
動画マンは、原画マンが用意したカットを元に動かしたり、線を仕上げたりする仕事です。原画と原画の間のコマを埋めるイメージで、動画を描いて作ってきます。
原画のカットをきっちりとトレースし、監督の指示に従って動きをつけるなど、細かい作業が必要です。
アニメーターには次のキャリアもある?
原画や動画の作成をメインとするアニメーターですが、次のキャリアはいろいろ存在します。
2. アニメ全体の監督になる
3. 漫画家やイラストレーターに転職する
代表的な例として「エヴァンゲリオン」の監督である庵野秀明氏が挙げられます。
庵野監督はもともとアニメーターとして活動していましたが、若い頃は年収が約100万円しかない年もあったそうです。
ところが監督になって「ふしぎの海のナディア」や「エヴァンゲリオン」などのヒット作を出し、いまでは数千万円とも言われる年収を獲得しています。
若い年代は賃金が安く過酷だと言われていますが、うまくいけば大きく年収を稼げる、夢のある仕事です。
アニメ業界に興味のある方へ
アニメーターの1日を紹介
アニメーターの1日は基本的には作画作業です。締め切りまでに作画を終了させる必要があるため、スケジュール管理をキッチリ行って作業に取り組んでいます。
またプロジェクトが開始したタイミングなど、時期によっては、ミーティングなどの打ち合わせ業務がはいることも珍しくありません。
アニメーターは締め切りが近づくにつれて忙しくなる傾向にありますが、意欲的な人は就業後にデッサンの勉強をするなど、画力向上に向けて取り組んでいます。
アニメーターに必要な能力とは?
こちらでは、アニメーターに必要な能力について解説します。
- デッサン力・画面構成力
- キャラクターを動かす力
- 継続力・忍耐力
- コミュニケーション力
それぞれくわしく確認していきましょう。
【アニメーターに必要な能力1】デッサン力・画面構成力
アニメーターとして最も求められる能力は、デッサン力や画面構成力です。
キャラクターを違和感なく描く力や、いかに魅力的に見えるかを考える力など、高い画力が求められます。
たとえトレースがメインの動画マンであっても、原画を忠実に再現しつつ、動きを出していかなければなりません。
デッサン力や画面の構成力は、アニメーターにとってかなり重要なスキルです。
【アニメーターに必要な能力2】キャラクターを動かす力
キャラクターを動かす力も、アニメーターには重要です。
元の絵コンテや設定資料からキャラクターを立体的にし、さらに動かせるようにしなくてはなりません。
特にアニメは漫画が原作のものも多いため、平面的な情報から視聴者が納得するようなキャラクター作りが大切です。
ただ1枚の絵を描けるだけではなく、動いた姿を想像して動かせる力は、アニメーターに必要な要素だといえます。
【アニメーターに必要な能力3】継続力・忍耐力
継続力や忍耐力も、アニメーターにとって必要な能力です。
アニメーターはとにかく絵を描き続ける仕事なうえに、下積みの時間も長いです。
特に20代前半の浅い経験だと、修正も多く時間がかかるうえに低賃金という状態が続きます。
その中でも日々成長を続け、画力を向上させられるだけの継続力や忍耐力が特に必要となります。
【アニメーターに必要な能力4】コミュニケーション力
コミュニケーション力もアニメーターには必要です。
アニメーターは決して1人で動いているわけではなく、監督や他のアニメーターなどと共に作品を作り上げています。
監督がどのような意図を持っているのか、他のアニメーターに仕事を回すときにどう説明したらいいかなど、ちゃんと考えを読み取って伝える力が大切です。
仕事をうまく進める上での対話力が求められます。
アニメーターに向いている人の特徴5つ
こちらでは、アニメーターに向いている人の特徴を5つ紹介します。
- 絵を描くことが好きな人
- 自分の絵の改善ができる人
- 人の意見を素直に聞き入れられる人
- 責任感がある人
- アニメが好きな人
それぞれくわしく確認していきましょう。
【アニメーター向きな人の特徴1】絵を描くことが好きな人
とにかく絵を描くことが好きな人は、アニメーター向きです。
当然ではありますが、アニメーターになると毎日のように、絵と向き合わなければなりません。それこそ、その生活を何十年も続ける人も珍しくないでしょう。
そんな状況下では、絵が好きだという気持ちは心の支えになります。
「アニメーター実態調査2019」で取ったアンケートでも「働ける限り、アニメーション制作者として仕事を続けたい」と回答した人は60%を超えていました。
引用:アニメーター実態調査2019
絵が好きで、とにかくアニメーションに携わっていきたいと思える人は、アニメーターとして長続きできる人材です。
【アニメーター向きな人の特徴2】自分の絵の改善ができる人
自分の絵の改善を積極的にできる人も、アニメーターに向いています。
絵には決して正解があるわけではなく、自分がどれだけこだわれるかが重要です。時間が限られている中で、どれだけ完成度を高められるかは、アニメーターの大きな課題と言えるでしょう。
仕事を続ける中で、絵の質をどんどん高めていければ、より重要な仕事に結びつきやすくなります。
ちゃんと絵の改善を続けられる人は、アニメーターにうってつけです。
【アニメーター向きな人の特徴3】人の意見を素直に聞き入れられる人
人の意見を素直に聞き入れられる人も、アニメーター向きです。
アニメーターは決して自由に絵が描けるわけではなく、多くの修正が求められることも珍しくありません。
アニメは監督を始めとして多くの人がチームとなっているため、人によって指示内容が変わることもあるでしょう。
そんな中で柔軟に自分の絵を改善し、みんなが満足できるようなクオリティに仕上げられる人は、アニメーター向きといえます。
【アニメーター向きな人の特徴4】責任感がある人
責任感が強い人も、アニメーターに必要な要素です。
アニメが出来上がるまでには多くの工程があり、たくさんの人が関わっています。
当然その中で締め切りが存在するため、守らないと多くの人に迷惑がかかるでしょう。
絵にこだわりを持って取り組みながらも、しっかりと他人に迷惑をかけずに納期を守る責任感は大切です。
【アニメーター向きな人の特徴5】アニメが好きな人
アニメが好きな人も、アニメーター向きです。
アニメに関わる仕事をするうえで、トレンドのチェックは欠かせません。
● どのようなアニメが流行っているのか
● どんな画風が好まれているのか
● よりよいカットを作るにはどうすればいいのか
など、スキルアップするためにもアニメはチェックしておいたほうがよいでしょう。
チェックするなら、自分の好きなアニメなどを積極的に視聴すると効率も上がります。
アニメが好きでよく観るという人は、アニメーターにうってつけです。
アニメーターになるための4ステップ
こちらでは、アニメーターになるための4つのステップを紹介します。
- 基礎画力を高める
- デジタルソフトの利用方法を学ぶ
- ポートフォリオ(作品集)を作る
- 制作会社への就職活動を行う
それぞれくわしく確認していきましょう。
【アニメーターへのステップ1】基礎画力を高める
アニメーターは絵を描く仕事なので、画力の高さは大切です。よってまずは基礎画力を高める必要があります。
絵を描くのは独学でも可能ですが、デッサン力や理論などをちゃんと勉強したほうが効率がアップするため、専門学校などで教えを受けるのが一般的です。
【アニメーターへのステップ2】デジタルソフトの利用方法を学ぶ
画力を高めるのと並行で、デジタルソフトの利用方法を学ぶ必要があります。
アニメーターにもデジタル作画が取り入れられることが多くなり、パソコン上のスキルも欠かせなくなりました。
特にCGを使うアニメーションを作る場合には、ソフトの利用が必要不可欠です。
ソフトの使い方も独学で勉強できますが、専門学校であればより画力の理論などを含めて複合的に学べます。本格的にアニメーターを目指したい場合にはおすすめです。
【アニメーターへのステップ3】ポートフォリオ(作品集)を作成する
本格的に自分で絵を描けるようになったら、ポートフォリオを作りましょう。
アニメ制作会社への就職活動では、ポートフォリオを求められることが珍しくありません。
● いままでにどのようなことを学んだのか
● どれくらいの絵が描けるのか
● ソフトをどれくらい使いこなせるのか
など、自分が今までに学んできた内容を盛り込んだ作品集を用意しておくと、就職時の選考で有利です。
【アニメーターへのステップ4】制作会社への就職活動を行う
ポートフォリオが用意できたら、いよいよ制作会社への就職活動を行います。
アニメーターと一口に言っても、いろいろな就職先があり、規模感や仕事内容はさまざまです。
● 大手アニメ制作会社
● プロダクション
● 作画専門スタジオ
など、会社の規模や仕事内容などをチェックして、就職活動を行いましょう。
まとめ:アニメーターはやりがいがあり、長く楽しめる仕事
この記事では、アニメーターの仕事内容や平均年収、必要な能力などを紹介しました。
アニメーターの若い頃は給料が安く大変な仕事ですが、ステップアップするにつれて年収がどんどんアップします。
将来的に監督などの重要なポジションにつけると、さらにガツンと報酬がもらえる、夢のある仕事です。
「東京アニメ・声優&eスポーツ専門学校」では、アニメ総合制作科という、アニメに特化した授業を受けられる学科が存在します。
アニメーターになるうえで重要な作画やソフトの使い方を学べるので、これからアニメーターを目指したいと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。