作画監督は、アニメ全体のクオリティを支える重要な仕事です。しかし、どんな仕事をするのかわからないという方も多いのではないでしょうか。「作画監督になりたい」と思っていても、不安があると具体的にイメージできませんよね。
そこでこの記事では、作画監督の仕事内容やスキル・なるための方法を解説します!作画監督の仕事が気になっている人はぜひ、記事を参考にしてみてください。
記事の概要
アニメ業界に興味のある方へ
作画監督とは?概要や総作画監督との違いを紹介
こちらでは、作画監督の概要や、似たような職業である「総作画監督」との違いについて紹介します。
作画監督とは「アニメの作画を統一する人」
作画監督とは、その名の通り「作画を監督する人」です。アニメ映像の作画を統一して、アニメのクオリティをアップさせます。
例えば30分のテレビアニメを作り上げるまでに、一般的には原画が300枚前後、動画が4,000枚前後も必要です。これだけ多くの原画や動画を作成するためには、たくさんの人手が必要になるため、複数人の原画マンや動画マンが協力して絵を描いています。
ところが、絵柄には描く人のクセや個性が出やすいもの。たくさんの人が関わればその分、絵柄にはどうしてもバラツキが出てしまいます。これをそのままアニメにしてしまうと作画に統一感がなくなってしまい、映像が成り立ちません。
そこで作画監督が完成した原画や動画を確認して、クセや個性のブレを無くします。アニメの完成度を高めるためには、欠かせないポジションです。
総作画監督は「シリーズ全体の作画を統一する人」
総作画監督は、シリーズ全体の作画を統一するポジションです。1年間放送するテレビアニメであれば、約50話にも及びます。そのためアニメ制作では、ひとつの作品で複数人の作画監督を起用するのが一般的です。
作画監督が担当回のレイアウトを修正し、総作画監督がさらに修正をしてシリーズ全体の統一感を出します。つまり作画監督の上に、総作画監督がいるという図式です。
総作画監督がすべてのカットを修正するのは時間的に難しいので、各話の重要なシーンのみを修正します。シリーズ全体のクオリティを支える総作画監督は、作画監督のなかでも実績のある人が任されるポジションです。
作画監督の主な仕事内容や流れを解説
アニメ制作の過程では、まず原画マンがアニメのレイアウトを作ります。作画監督はこのレイアウトをチェックし、修正を入れていきます。
修正は原画の上に別の紙を置き、元の原画を写しながら修正点を描き変えていく手法で行うのが一般的です。背景やキャラクターを簡単に直すだけでなく、時には全て修正して描き直すこともあります。
修正を終えたレイアウトは原画マンによって描き直されるので、これをまた作画監督が確認。チェックや修正が終わった原画は動画マンの元に送られ、動画マンが動きのあるアニメーションにしていきます。
作画監督は動画マンが作った動画をさらにチェックし、
1. 動きが適切か
2. 抜けがないか
3. 絵の質が統一されているか
といった点をチェックして、アニメを仕上げていきます。
アニメ業界に興味のある方へ
作画監督に必要な3つのスキル
こちらでは、作画監督に必要なスキルを以下の3つに分けて解説します。
1. 高い画力
2. コミュニケーション能力
3. 体力と忍耐力
それぞれ詳しく確認していきましょう。
1. 高い画力
作画監督にとってまず必要なのは、高い画力です。アニメのクオリティは作画監督の実力次第で大きく変わります。もしキャラクターの表情や動きに違和感があれば、視聴者は離れてしまうでしょう。
クオリティを高めて視聴者をアニメの世界観に引き込むためにも、作画監督には原画マンや動画マンに的確な指示を出せるレベルの、高い画力が必要です。
2. コミュニケーション能力
作画監督にとって、コミュニケーション能力は欠かせません。アニメ制作は、年齢や職種の異なる多くの人たちと協力して進めていきます。
具体的には原画マンや動画マンへの指示出し、演出担当との打ち合わせなどをスムーズに行う必要があります。アニメーターのリーダー的ポジションである作画監督には、コミュニケーション能力が必須です。
3. 体力と忍耐力
体力と忍耐力も、作画監督には必要です。作画監督の仕事は激務になることがあります。テレビアニメでは納期が短く、映画であればチェックや修正作業は膨大な数になるためです。
さらにアニメは3~4ヶ月を1クールとして、年間を通して放送が続けられます。そのため常にアニメのことを考え、よりよいものを作り上げる意思が必要です。
厳しい環境でもアニメのクオリティを落とさない、体力と忍耐力が作画監督には求められます。
作画監督になるための方法・道のりは?
アニメーターのリーダー的ポジションである作画監督になるためには、アニメの原画や動画を描く経験を多く積むことが大切です。
新人アニメーターのほとんどは、まず原画に動きをつける「動画マン」として活躍することがほとんどです。クオリティの高い絵を速くたくさん描けるようになったら、原画マンの仕事へとステップアップします。
アニメーターの仕事は、実力や努力次第でどんどんステップアップできるやりがいのある仕事です。
実力が認められれば、早い段階であっても作画監督としての重要な仕事を任せてもらえるようになります。世界から注目されている日本のアニメ業界で、やりがいや責任のある仕事をしたいという方は、作画監督を目指してみてはいかがでしょうか。
作画監督を目指すなら専門学校がおすすめ
作画監督を目指すのであれば、専門学校で勉強することをおすすめします。アニメ業界に入って、いきなり作画監督を任せられることはほとんどなく、最初は動画や原画などで実力を高めることが大切です。
そのためアニメに関する基礎的な部分を就職前にしっかりと身につけておくと、アニメーターとしてより早くステップアップできるでしょう。
東京アニメ・声優&eスポーツ専門学校では、キャラクター制作やデジタルアニメーションなど、アニメの基礎をプロの講師からしっかりと学べます。実際に現場に訪問してプロジェクトに携わったり、手厚い就職支援を受けられたりするので、これから作画監督を目指したいという方は、ぜひ入学を検討してみてください。
作画監督に有利な資格
作画監督になるために必要な資格はありません。作画監督は、高い画力と知識が求められる仕事なので、資格よりもスキルが重要視されます。原画マンや動画マンへと的確に指示を出すための豊富な知識はもちろんのこと、多くの人に指示を出して理想の作品を作り上げるマネジメント能力などが、作画監督には重要です。
資格習得にはそこまでこだわらず、業界で実務経験を積むなどして、自分のスキルを高めましょう。
作画監督に向いている人の特徴3つ
こちらでは、作画監督に向いている人の特徴を以下の3つに分けて解説します。
1. 責任感がある
2. スケジュール管理が得意
3. アニメが好き
自分に作画監督の適性があるか気になる人は、内容をチェックしてみてください。
1. 責任感がある
責任感のある人は、作画監督向きです。作画のクオリティはアニメ全体の評価に大きく影響します。
原作や脚本が素晴らしいのに、作画が崩壊していてファンから失望された作品も少なくありません。自分の仕事が他のスタッフの評価にもつながると、責任感を持って取り組める人が作画監督には向いています。
2. スケジュール管理が得意
スケジュール管理が得意な人は、作画監督の適性があります。納期に追われながら膨大な量の修正作業をするためには、緻密なスケジュール管理が必要です。
さらに作画監督自身だけでなく、アニメーターごとの実力を考慮してスケジュールの調整をしなければなりません。スケジュールを立てて計画通りに作業を進められる人にとって、作画監督はおすすめの仕事です。
3. アニメが好き
やはりアニメが好きな人は、作画監督に向いています。厳しいスケジュールでの細部へのこだわりや、スキルを伸ばすための努力は「アニメが好き」という情熱から生まれます。
忙しくても毎日欠かさずアニメを見る、休日は原画展に行くような、アニメ好きな人に作画監督はぴったりの仕事です。
まとめ:作画監督を目指すなら専門学校がうってつけ
作画監督は、アニメ全体のクオリティをアップさせる重要な仕事です。アニメーターのリーダー的ポジションであり、高い画力などのスキルを求められます。
作画監督を目指すなら、専門学校で基礎から学ぶのがうってつけです。東京アニメ・声優&eスポーツ専門学校では、現役のプロ講師による指導や最新設備など、最適な環境を用意しています。将来は作画監督を目指したいという方は、ぜひ入学を検討してみてください。